■ 仮想デスクトップ経由でWindows PCを起動する
仮想デスクトップ経由で、スリープ状態のWindowsPCを起動する事が出来ます。以下のような操作が可能です。
- 自宅や事務所内のPCをスリープ状態し、外出
- 外出先からVPN経由でWaffle Cellの仮想デスクトップに接続
- 仮想デスクトップからスリープ状態のPCを起動させ
- リモートでPCを操作
今回はリモート操作したいPCをスリープ状態(アイドリング状態)として外出し、必要なときにだけ通常の状態にするというものです。(こういう風に起動させる事を俗にWake on LANといいます)
前提条件
この機能を実現するには以下の条件が必要となります。-
起き上がらせたいPCがWakeOnLanに対応している
大手メーカー製ノートPCはほとんど対応しています。
デスクトップPCの場合はBIOSの設定が必要な場合が多く、各メーカーにWakeOnLanを有効にする方法を問い合わせて下さい - 有線LANでPCがネットに接続している(一部例外あり=PCメーカーに問い合わせ確認のこと)
- 仮想デスクトップを導入している
- リモート操作を使っている
仕組み
WakeOnLAN(LAN経由で起き上がらせる仕組み)は規格化されています。受け側はLANボードに電流を流し続けデータを受信できる状態になっていて、ここであるデータ(マジックパケット)を受け取ると、PCに「起き上がれ!」という命令を出します。
PCはこの命令に従い、スリープから通常の利用できる状態になります。
事前準備(1) PCがWakeOnLANに対応しているかを調べる
例えばSony VAIOなど、多くのノートPCが対応しています。
・ Sony VAIO [Wake on LAN機能は使用できるか]
・ Panasonic [LAN Wake Up機能を設定する方法]
・ 東芝Dynabook [Wake-up on LAN機能を使用する方法]
ネットで調べる場合は、検索エンジンで「PCの型番(名称)」と「WakeOnLAN」で検索するか、取扱説明書を調べてみて下さい。 ただし、多くのノートPCの場合、上記機種と設定方法は大きくは違わないと思います。
一方、デスクトップの場合は条件が厳しいです。そもそもデスクトップはバッテリーを搭載していないので「スリープにする」という使い方を前提にしていません。(スリープ時にも電源が必要で、停電などの場合問題が起こる)
また、この機能を有効にするにはBIOSを設定しなくてはならないことが多く、少し設定が厄介です。メーカーに「WakeOnLAN」に対応しているか、対応している場合にはどのような設定が必要なのかを問い合わせてみて下さい。もちろん検索エンジンで、「PCの型番(名称)」と「WakeOnLAN」で検索や取扱説明書を調べてみる事もお勧めします。
いずれにせよ、受ける側であるPCがWakeOnLan機能に対応しているか確認後、事前に設定を行なって下さい。。
◆ 事前準備(2) PCのMACアドレス(物理アドレス)とIPアドレスを調べる
PCがWakeOnLANを受け入れる態勢に設定できたら、次はこのPCの情報を収集する必要があります。「どのPC」を起きががらせるのか、を特定するためのPCの指紋を手に入れるようなものです。
スペースキーの左にある「Windowsキー(旗の印)」を押しながらRを押します。 すると「ファイル名を指定して実行」ダイアログが表示されるので、ここでcmdと入力し、エンターキーを押します。
すると黒い画面(コマンドプロンプト)が出ますので、そこで「ipconfig /all」と入力後、エンターキーを押します。
ネットの接続関係の情報が出ますので、「物理アドレス(MACアドレス)」の欄を探します。ここで表示されている情報(上図ではF0-BF-97-EB-0A-23)をメモしておきます。また念の為「IPv4アドレス(上の図では192.168.1-1.14)」のメモも取っておきましょう。
この段階で
- PCのWaleOnLAN機能が有効になっている
- 物理アドレス(MACアドレスともいう)がわかっている
- IPv4アドレスも念の為メモしている
Waffle Cellに「仮想デスクトップ - WakeOnLAN」をインストール
スリープ状態のPCにWaffle Cellから「起き上がれ」信号を送る機能のサービスを追加する必要があります。
いつもの通りの手順でWaffle Cellにサービスを追加します(インストール方法がわからない場合はこちらから)。
サービス名は、その他の「仮想デスクトップ - WakeOnLAN」になります。
gWakeOnLanの設定
仮想デスクトップにインストールされた「gWakeOnLan」にWindowsPCの情報を登録します。下の図にあるようにまずはこのソフトを起動します。
起動したらWindowsPCの情報を登録するために「+」をクリックし、 必要項目を入力します。
- Machine name = わかりやすい名前を適当に入力
- MAC Address = メモリしてある物理アドレスを:で区切って入力(ハイフンのままでもOK)
- UDP port number = そのまま(通常は9が入っています)
- Request type = Local を選択(デフォルトはLocalです)
- OKを押して完了
◆ 実験!
それでは実験をしましょう。対象となるWindowsPCをスリープモードに入れます。 次にgWakeOnLanを起動し、図のように対象となるPCにチェックを入れ、「Turn On」をクリックします。10秒ほどでPCは起動するはずです。もし起動しない場合は、もう一度設定を見なおしてみて下さい。